戦姫絶唱シンフォギアGX キャロル・マールス・ディーンハイム「殲琴・ダウルダブラ/tomorrow」感想
キャラソン連続リリースも今週でおしまい。放送もおしまい。
中の人もアーティストとしてソロデビューするそうですね。
歌声が好みでない方でも、せめて歌詞は見てほしいです。
殲琴・ダウルダブラ
曲名の「殲」という一文字がとんでもなく物騒です。
こ○しつくすとか滅ぼすとか。
あ、調の『鏖鋸・シュルシャガナ』の「鏖」も負けてません。
シンフォギア装者に呪われた旋律を歌わせ回収して作られたのが『殲琴・ダウルだブラ』、手順を踏んで、世界を壊すためだけに作られた歌です。
キャロルが壊れていると分かるのが「ルルリラ」の表記。
「るLuリRぁ」「RゥるRiラ」
切歌の「vy」や「毛紙」は死語や勘違いだけど…。
劇中超強気で「ルルリラ♪」と口にしていたのでまさかこんなことになっていたとは思いもよらず。
最後の身体で力に変えられる想い出も残り少なく、さらに精神面ももうボロボロだったのだと思わされます。何百年も父からたくされた命題それ1つのために生きていたらそりゃね。
人のために尽くした父を魔女裁判にかけられたら、周囲を信じられなくて仲間などいなかっただろうし、一人きりというのはつらいです。
11話の「何もなければ耐えられまいて!」というキャロルのセリフは響に向けてだけでなく、自身への言葉でもありました。
カップリング曲によれば、この曲を歌った時にキャロルはついに大好きな父の名前さえも忘れてしまうようです。後には引けなかっただろうし、それほどまでに父が遺したものが大切で、世界に復讐したかったのだと思うとかなしいです。
tomorrow
物悲しいバラード曲。竪琴が使われています多分。
タイトルこそtomorrowと未来や希望を想像させますが、ふたを開けてみれば終わりへ向かう歌でした。
歌詞を見るに、この曲にはエルフナインがキャロルのもとを逃げ出した前夜の出来事から世界を壊す歌を歌うに至るまでのことが記されています。
吟遊詩人という表現はちょっとズレているのかもしれませんが、キャロルとエルフナインの物語を弾き語っています。
Lala…Rurila… 飽きず見上げていた
古いランタンに 照らされた面立ち
Lala…Rurila… あくびを噛み殺すと
手を引いたベッドでは アルカナを語り寝かせたLala…Rurila… 人の形をした
コクリと頷く「寂しさ」のマリオネット
Elf…Nein 要らない正義の力(Tarot)
毒の針飲み込ませ 想い出と共に逃げゆけ
キャロルからパパとの想い出が燃え尽きてしまっても、なかったことにはどうしてもできなくてエルフナインに託したのかなと想像。
また、この辺りではまだルルリラさんが正常なのですが曲の終わりに向けてどんどん崩れていきます。
父親からの命題を解いて、それからどうするのかとウェルに尋ねられた時、キャロルは何もしない、世界を壊したら分析して世界のことを識ってそれだけだと答えました。
世界を識ることが手段ではなく目的となってしまったキャロルにはその先がありません。
命題を解こうが復讐しようが父はもういなくて、どうしようもないんです。でも父が最期に託してくれたものだからやめられない。
「わたし」ヲ褒メテクレルカナ
抱キシメテ クレRuカna 教Eテ?
わたしを「」でくくるのが重たくて
正義を捨ててしまった自分では、自分がされたように多くの人から大切なものを奪ってしまった自分では、救いを願ってはいけないことは分かっているようです。
聴けば聴くほど、この曲はキャロルの過去回想と共に特殊EDとして流れればよかったのになと思いました。ワンコーラスだけで十分だから。
おとなキャロルが『殲琴・ダウルダブラ』を披露する前に公開されてほしかったです。
泣きながら火事場を眺めるキャロルとかに説得力が増しただろうな…
キャラクターソングの8枚目がシークレット扱いだったり、尺も足りなかったりして難しいのでしょう。けれどもこれだけ情景が目に浮かんで、計画を着々と遂行するキャロルの違う面を感じられる曲をCD購入者しか聴く機会がないことは本当にもったいないことです。
翼やクリスのカップリング曲は二期を経てサイドストーリーとして十分楽しめるものだったけど、キャロルの『tomorrow』はがっつりGXの本筋に絡んでくる内容です。敵側のこと、もっともっと掘り下げてほしかったです。
シンフォギアライブ2016の選考受付は10月19日まで。