山田ズーニー 『「働きたくない」というあなたへ』 感想
図書館で借りた本。
この本は『ほぼ日』のコラム「おとなの小論文教室」をまとめたもののようです。
http://www.1101.com/essay/index.html
出版が2010年で、内容はそれ以前のものだけど今2013年の社会においても
なるほどなぁ、確かにそういうことなのかもなぁと
感心するお話が詰まっていました。
なんとなく学校というハコにおさまって暮らしてきた私にとって
手元に置いておきたいと思った本です。
「楽しく生きる」ことを「ラクに生きる」という意味にとっていませんか という問い
私は授業などで10年後どんな風に生きていたいですかと問われたときに
いつも、普通に、人並みに生活したいなぁと思う。
私が思っている普通 とは
通学中に電車で乗り合わせる社会人や、
街に買い物に出掛けたのだろう複数のショ袋と家族へのお土産を持った主婦たち
スーパーで食材を買う人たち・レジ打ちをしているパートさん
年に数回の旅行ができる人たち のような感じです
一目置かれる存在にならなくていいから、ある程度自由に使えるお金があって
家庭をもって、そんな穏やかな生活がしたいと。
しかし、普通だからといって、私から見て普通だと思うからといって
そういう人たちが努力してこなかったなんてことはないんですよね。
私は甘々です。
山田ズーニーさんのコラムにたいして読者が感想を寄せ、
それも本に載っているのですが、一読者さんのこんな言葉が私は心に残りました。
「楽しく生きる」の違和感の理由として、「予想できる範囲でしか生きられない」ことの不自由があると思いました。自分で「楽しく」と言った段階で、「自分の思った『楽しい』という範囲」に制限されてしまうような気がするんですね。自分が目を背けたくなるところにこそ、自分自身を広げる何かが在る。
なにごとも経験…?というかやってみないとわからない面は確かにあるのだと思います。
話したくなる楽しかった話には、自分が苦労したエピソードが含まれているということにも頷けます。
ゲームとかそういうたぐいのものから得られる楽しさとは違う楽しさもあるのだろうし
私も少ないながらに経験したことがあります。
予定調和の閉じた世界では得られないものはあると思います。
楽しく生きる から 生きることを楽しむ へと方向転換したいです。
親の言う方へ、まあいいやというようにこの歳まできてしまったので
正直選択するという覚悟が私にはもてません。とてもとてもこわいです。
このままではいけないと思いながらも。
具体的な夢があってキラキラしている同年代の人たちを
羨んでいても仕方がないのだけど、「ラク」を求めても結局面白くない
ということはこの本を読んで感じ取ったので
私は社会のために何ができるかを考えようと思います。
第4章の「グレーゾーン」の話はとてもひかれるところがありました。
文中に出てくる土井隆義さんの『「個性」を煽られる子供たち』は
私も読んだことがあり、私たち若者の「関心」の対象が狭く狭くなっていることを
山田さんの視点から書かれていました。
こちらの本も生きづらくてもやもやしている同世代にぜひ読んでほしいです。
ページ数少ないし。
「個性」を煽られる子どもたち―親密圏の変容を考える (岩波ブックレット)
- 作者: 土井隆義
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2004/09/07
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